男装姫と愉快なオオカミさん1(更新停滞中)
「じぁ、お姉さんを家まで送ったことだし、そろそろおいとまいたします!」




家の門の前で、足元を見ていたお姉さんに伝える。



「えっ…でも、まだ、お礼してないですし…」



お礼??





「要りませんよ。お礼なんて。俺がやりたくてしたことだからっ!」




こっそり腕時計を確認すると、ほんとに時間がヤバかったから、お姉さんに背を向けて全力で走り出した。





「今度、弟の高校に行くのでっ、その時はお礼させてくださいっ!」





と、大声でお姉さんが叫んだ声が後から聞こえた。
それを、これから始められるであろう説教の心の支えにした。
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