キミ、カミ、ヒコーキ
第一章/退屈
★1
【TUBASA】
今日も怒鳴られた。
原因はいたってシンプル。今週5回目の遅刻だ。
ちなみに今日は金曜日。
今回のは俺が7割、あいつが3割悪い。だけど今説教をくらっているのは『7割の俺』だけ。
「……納得いかねぇ」
「ん? なんだ野口。今度はいい訳か?」
さっきからこいつの顔をみる度に胃がキリキリする。古文の田畑。顔は弱った蛙みたいだが、学内一説教が長い先生として有名だ。あっ、あとコーヒーを飲んだ後の口の臭さもこいつに勝てるやつはそういない。
飲まれているコーヒーに同情してしまうくらいだ。
「先生」
「何だ」
「早く部活に行きたいんすけど。俺、先生みたいに暇じゃないんで」
田畑の蛙顔が、今度は狂った猿みたいに真っ赤に歪んだ。なんて忙しい顔なんだろう。
「補習だ補習! みっちり補習だ」
田畑が俺の腕を掴もうとした時、背後からもう一本、日に焼けたたくましい腕が素早く出てきた。
今日も怒鳴られた。
原因はいたってシンプル。今週5回目の遅刻だ。
ちなみに今日は金曜日。
今回のは俺が7割、あいつが3割悪い。だけど今説教をくらっているのは『7割の俺』だけ。
「……納得いかねぇ」
「ん? なんだ野口。今度はいい訳か?」
さっきからこいつの顔をみる度に胃がキリキリする。古文の田畑。顔は弱った蛙みたいだが、学内一説教が長い先生として有名だ。あっ、あとコーヒーを飲んだ後の口の臭さもこいつに勝てるやつはそういない。
飲まれているコーヒーに同情してしまうくらいだ。
「先生」
「何だ」
「早く部活に行きたいんすけど。俺、先生みたいに暇じゃないんで」
田畑の蛙顔が、今度は狂った猿みたいに真っ赤に歪んだ。なんて忙しい顔なんだろう。
「補習だ補習! みっちり補習だ」
田畑が俺の腕を掴もうとした時、背後からもう一本、日に焼けたたくましい腕が素早く出てきた。