キミ、カミ、ヒコーキ

★7

【TUBASA】



俺とユージは愚痴話ついでに丸屋(地元で人気のたこ焼き屋!)に寄ることにした。何故かユージのおごりらしい。

俺は2回しか頼んだことのないネギ塩たこ焼きを注文した。ユージはスタンダードなソース&マヨネーズだ。店主の“丸ちゃん”に金を払い、俺とユージは店脇のベンチへ移動した。


「そんでな、あのもやし野郎が俺のたこ焼きを食っちまってだな」

「えっ、何? ワンモアプリーズ」


「だーかーらー、今朝俺が丸屋のたこ焼き食いながら走ってたんだよ。そしたらあのもやし野郎が――」


ユージは俺の話を聞きつつも四個目のたこ焼きに手を伸ばそうとしていた。絶対こいつの五感は、俺の愚痴話なんか聞いちゃいない。それより、たこ焼きの上で揺れるかつお節に興味津々らしい。

俺も同じように手を伸ばす。紅しょうがは嫌いだからユージの舟皿にこっそり移しておいた。

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