キミ、カミ、ヒコーキ
☆2
【NOBUKO】
今日からまた始まる退屈な5日間。
月火水木金。
特に月と木は最悪だ。グループ活動なるものがあるから。
女子は群れたがる。一人じゃ何も出来ないんだ。
一人でいるのが恥ずかしいんだ。
恐いんだ、裏で何かを言われてしまうのが。
あたしみたいになるのが、みんな恐いんだ。
「はいはーい。じゃあいつも通り出席番号順に班作ってねー」
家庭科教師の東先生が独特のキーキー声を張り上げる。どんな女子よりも“キーキー”だ。
ガヤガヤとうごめく家庭科室。その中でも一際目立つ『あいつ』の声。
騒々しいこの空間の中であたしは一人、冷たく四角い光を放つシルバーのペンケースを見つめた。あたしだけの世界。
丸でもない、三角でもない
四角い世界。
「ねぇ、石崎さん……はどう思う?」
女子Aが話かけてきた。
「やっぱカレーライスのお肉って豚よね?」
『いや何言ってんだ、鶏ももだろ』
――なんて言えない。
あたしは適当に相づちを打って、またシルバーの四角い世界へ戻った。
今日からまた始まる退屈な5日間。
月火水木金。
特に月と木は最悪だ。グループ活動なるものがあるから。
女子は群れたがる。一人じゃ何も出来ないんだ。
一人でいるのが恥ずかしいんだ。
恐いんだ、裏で何かを言われてしまうのが。
あたしみたいになるのが、みんな恐いんだ。
「はいはーい。じゃあいつも通り出席番号順に班作ってねー」
家庭科教師の東先生が独特のキーキー声を張り上げる。どんな女子よりも“キーキー”だ。
ガヤガヤとうごめく家庭科室。その中でも一際目立つ『あいつ』の声。
騒々しいこの空間の中であたしは一人、冷たく四角い光を放つシルバーのペンケースを見つめた。あたしだけの世界。
丸でもない、三角でもない
四角い世界。
「ねぇ、石崎さん……はどう思う?」
女子Aが話かけてきた。
「やっぱカレーライスのお肉って豚よね?」
『いや何言ってんだ、鶏ももだろ』
――なんて言えない。
あたしは適当に相づちを打って、またシルバーの四角い世界へ戻った。