キミ、カミ、ヒコーキ
「学校……辞めようかな」


あたしがポツリと吐いたその言葉が、まるで何かのスイッチみたいに風が止んだ。いや、風だけじゃない。空も雲も校庭を駆け回るサッカーボールも。

あたしを包み込んでいたカーテンもフワリと浮かんだままだ。


全部止まった。


「……はっ? んだよこれ」

その時だった。


あたしに吸い寄せられるように、一枚の紙ヒコーキがユラユラと飛んできた。

「紙ヒコーキ……どこから飛んできたんだ?」

あたしがその紙ヒコーキを手に取ると、再び周りが動きだした。風もサッカーボールもカーテンも。


「遂にあたしも頭がおかしくなっちまったか」


あたしは薄笑いを浮かべながら、その紙ヒコーキをゆっくりと広げた。

中にはこんな文章が書かれていた。



○●○●○●○●

拝啓

この紙ヒコーキを受け取った誰かさん。


この手紙を呼んだあなたはきっと幸せになれる。




退屈なカミサマより




●○●○●○●○●




< 52 / 54 >

この作品をシェア

pagetop