十六夜館で会いましょう
とりあえず近くの椅子に座った。

すると腕に包帯を巻いた高校生くらいの青年と眼帯をつけた中学生位の少年が入ってきた。

「誰?管理人?」
包帯を巻いた青年は疑うような目でこちらを見つめる。
「え、えぇそうです」
勢いで返事をしてしまった。
「あっそ、俺落合だから」
そう言うと包帯を巻いた青年は奥へと進んでいった。
「嘘でしょ?」
眼帯の少年が聞いてきた。
「え?」
「あんた正確には管理人じゃないだろ?いつまでも悩んでないでさっさと決めろよ、おばさん」
「おばっ!?」
少年はそのまま奥へと進んでいった。

誰もいなくなったロビー、私は改めて自分の置かれている状況を確認する。

見学に来たつもりがいつの間にか管理人になりに来ているではないか。

すると管理人室のドアをガリガリと動物が軽く引っ掻く音がした。
猫でもいるのかなぁ。
ドアをあけると大きなシベリアンハスキーが入ってきた。
ふさふさの体、凛々しい顔立ち。
動物好きの私にはたまらないのであった。

私はハスキーを抱き締めた。
「ハスキーかっこいいしもふもふ可愛い!」
「ハスキーじゃない、狼だ」
思わずハスキーから離れた 。
「ハ、ハスキーがしゃべった!?」
「はぁ...だから狼だと言ってふだろうが」
私は深呼吸をして落ち着いた。
「仮に狼だとして、何故日本語をしゃべってるの?」
「そういう能力を持っているからだ」
いや、それはわかるんですが...。
「それにここに住んでるやつはみんなニュータントだ」
「ニュータント?」
「特殊な能力を持った人間だ。それより管理人になるのか?」
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