ありがとうのその前に
今日は裕也が生徒会の用事があるから一人でヒロを迎えに行く
『ヒロ~?あれ…いない?』
あたしは普段は入らない教室の方に恐る恐る歩いていった
『すみませ~ん…あッ!』
そこにいたのは何ヶ月ぶりかに見る翔吾だった
髪は少し伸びていたけど変わらない翔吾だった
『久しぶり…』
翔吾が寂しそうな笑みを作った
無理してるのバレバレ…
『うん♪久しぶりだね』
あたしは敢えて明るく返した
『ヒロならさっきトイレ行くって言ってたぞ』
『ありがと♪』
あたしはそのまま翔吾の横を通って奥へ行こうとした
ガシッ
『?!』
あたしの腕はしっかりと翔吾に捕まれていた