ありがとうのその前に
病院に着くとヒロは点滴を受けることになった
もうすこしで肺炎になるところだったらしい
点滴が終わるのを待ってる間もあたしの手は震えが止まらなかった
するとどこか懐かしい温もりの手があたしの手を包んでくれた
『大丈夫だから』
その言葉を聞いた瞬間、緊張の糸が切れたのか涙が溢れ出してきた
『あたし…気付いてあげれなかった!もっと早く気付いてればこんなことにならなかったのかも…ヒロすごい苦しそうで…あたし姉失格だよ…』
どんどん溢れてくる涙と言葉を翔吾は何も言わずに聞いていた
でも重ねられた手から伝わる鼓動が心地よくて『大丈夫だよ』って言われてる気がして不思議と安心できたんだ