ありがとうのその前に
そんな疑問を頭で繰り返して家までの道を帰った
でも本当は答えは出ていた
気づきたくなかった気持ちがあたしの体を浸食していくかのように体中を熱くさせる
答えはたった二文字
簡単な二文字の言葉だったんだ
―スキ―
一度は捨てた気持ち
でも捨てきれずに心の奥に埋まってた気持ち
伝えられない気持ち
伝えてはいけない気持ち
この気持ちは
あたしの胸の中にだけに閉まっておこうと決めた
だって翔吾には彼女がいる
ううん
彼女なんて言葉で片付けられない人
叶うはずのない気持ちは、誰にも伝えることなく
ただあたしの胸の中だけで大事に暖めていこう
もう捨てようなんて思わないからね
大切な気持ち
スキという気持ち