ありがとうのその前に



『これからも友達としてよろしくね』



そう言って裕也は屋上から去って行った




裕也の優しさに自然に涙が溢れた







あたしが一息ついて教室に戻るとあたしの机の上にプリントが置いてあった





『…三者面談?』




そうか、3年になると進路のために三者面談が開かれるんだ





お母さん…来るわけないよなぁ




先生に話してみよう




あたしは職員室に向かって歩いた




まだほとんどのクラスの子が帰っていないらしく廊下はザワザワしている





『失礼します。小林先生!』



あまり絡みたくないコバヤン登場




『なんだ?』


『三者面談の話なんですけど…母が忙しいのであたしだけじゃだめですか?』



コバヤンは頭をポリポリ掻きながら考えている




『今回は大事な進路なんでなぁ~親御さんに来てもらわいといけないんだ。なんとかならんか?』


『そうですか…話してみます…』




あたしが職員室を後にしようとした時だった




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