ありがとうのその前に




『琴音はお母さんにワガママとか言ったことないだろ?』



そうだ…あたしいつも冷めてて…お姉ちゃんだからッてワガママなんて言ったことなかったかも




『ワガママなんて言ってもうちの親にはダメだよ…』




きっと忙しいのよッて切り捨てられる




『そんなことない!真剣に来て欲しいなら伝えないと!お母さんもきっと甘えてくれるの待ってると思う』




お母さんに甘える…?どうやって甘えたらいい?わからないよ…




『甘え方がわかんない…』


『ただ気持ちを伝えればいいんだ。誰だって真剣な気持ちを無視したりしないだろ?』




気持ちを伝える…か






あなたへの気持ちは大事に閉まってあるんだよ




『伝えたら…迷惑かもしれない…』




お母さんも翔吾もあたしの気持ち迷惑かもしれない…



『んなわけねぇだろ?』




そう言って翔吾は笑った





胸の奥がキュンとした




やっぱりあたしの胸がキュンてするのは翔吾にだけみたいだね




『うん…言ってみる』





翔吾への気持ちも迷惑じゃないのかな…?



さっきの言葉…あたしの好きなようにとっちゃうよ?




翔吾も迷惑じゃないって思ってもいい…?





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