ありがとうのその前に
水曜日ついに三者面談の日がきた
教室にはスーツのコバヤン、お母さん、制服のあたし
『琴音さんは成績はまぁまぁ普通ですね…英語が少し苦手みたいですが…』
黙れコバヤン!こっちを見るな…
『進路のことですが…山崎考えてきたか?』
う…来たか…
『まだ…一応何かの専門学校に行くつもりです』
『何かって?』
だからまだ決めてないっつ~の!
『恥ずかしながら母親でありながら娘のことをあまりわからないんですが…これから一緒に探してやりたいと思います』
お母さんが…三者面談で初めて喋った言葉がこんな嬉しい言葉でいいのだろうか…
一緒に探してくれるんだ…お母さん…
頑張って探そうね!
この母の一言で無事にあたしの三者面談は終わったのであった
『まずは得意なこと、したいことから考えるのよ』
帰り道、お母さんから言われた言葉
あたしがそれを見つけるのは、もう少し先のお話し。