ありがとうのその前に
『な…なによ…』
すでに気迫負けをしているあたし。
修平はそんなあたしを見て長いため息をついて続けた
『お前らなぁ…まじアホだな。お互いビビりすぎ!』
何を言ってんのか意味がわからないんですけど…
『てか、翔吾には彼女いるし!』
『うそつけ!』
『ほんとだもん!だから無理なもんは無理だし!放っといてよバァカ!』
アカンベーをしたまま教室から走って屋上に向かった
修平のやつ…辛いこと思い出させないでよね…考えないようにしてるんだから!
その夜、うちの家は家族全員で団欒中だった
最近お母さんは結構一緒に夕飯を食べてくれるようになったんだよね♪
『琴音~あんたこんなに料理うまかったの~?なに食べてもおいしい…』
『琴ちゃんのご飯はいつもおいしんだよ~ママぁ♪』
あたしはつい顔がニヤケてしまう…
『なんか、みんながあたしの作った料理をおいしいって食べてくれるのはすごい嬉しいんだよねぇ~』
『なぁに?みんなって誰かそんな男の子いたの?』
お母さんがニヤニヤしながら問い掛けてきた