ありがとうのその前に




あたしの言葉を聞いて修平はうなだれた



何かを考えているみたい…





『ほんとは…口止めさせてんだけど、お前ら見てると放っておけねぇ…』




不思議そうな顔のあたしをちらっと見て決心したかのようにため息をついた




『アイツ真由美先生とは付き合ってねぇよ』




え?




修平の言葉にあたしは動きが止まった



ついでに涙も止まってしまった




『どういうこと…?』



『お前が…悩んでるのわかってたんだよ翔吾は。だからいつか自分でその悩みを乗り越えて戻ってきてくれるのを待ちたい。翔吾はそう言ってた』





翔吾は…あたしのために…?


あたしが強くなるまで待っててくれてたの?





『たしかに誕生日に置いていったのはアイツのミスだ。でもそれにも理由があったんだ』



『理由って…?』



『それは俺の口からは言えない。』








真由美先生のところに行っちゃった理由?



聞きたい




でもあたしに聞く資格ない…





傷つけた…





大切なあなたを傷つけたんだもん…





あたしにもう幸せになる資格はない





今更遅いよ





ゴメンね翔吾




修平もゴメン…




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