ありがとうのその前に
今日はあたしの誕生日
みんながパーティーを開いてくれた
『お誕生日おめでとうッ♪』
『ありがとぉ!!』
みんながケーキやプレゼントをたくさんくれた
そしてみんなでゲームしたりわいわい騒いだ
楽しかった…でもふとした時に考えてしまう
翔吾のこと
あたしはフラフラと外の空気を吸いに家から出た
はく息が真っ白で、手がどんどん冷たくなるのがわかる
もう温めてくれる手はないんだよ
そう言い聞かせて歩いていると、あの公園に辿りついていた
『ここ…』
翔吾と初めて出会って、そして別れた公園
あたしは公園のベンチに腰かけた
『寒いなぁ…』
あたしはかじかむ手に息を吹きかけていた
するとあたしの目の前に見覚えのある靴が見えた