ありがとうのその前に




『なら琴音は料理でみんなを幸せにできる仕事に就けばいいんじゃねぇか?』





料理でみんなを幸せに?



『いいかも…料理は大好きだし…でもできるかな…?』





心配そうなあたしを見て翔吾は食卓に並んでいる料理を指指した




『この夕飯の献立。すごくバランスよくできてる。必要な栄養素が全部入ってて、しかもいろんな工夫もされてる。これで、大丈夫じゃないわけないだろ?』




そう言うと翔吾はパクッと海鮮トマトパスタを口に入れた






『う~ん!まじうまいっ♪』




翔吾は笑顔であたしを見た



『な?こんな顔になるんだよ?お前の料理食べたら♪』





ウインクをした後、翔吾は隣を見るように目配せした





そこではヒロが幸せそうにニコニコしながらパスタを頬ばっているところだった






あたしの心はポカボカになった




『頑張ってみる…ううん!頑張ってみたい!』




そしてあたしは料理の勉強をもっとするため料理の専門学校に行くことにした





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