ありがとうのその前に





思い返してみると高校生活はまじ濃かった





真由美への気持ちにケリーを着けて…というかフラれて落ち込んでたときに琴音に初めて出会った



正確には『見た』かな。





真由美にフラれたことは琴音には内緒だ





だってなんかダサイだろ?







まぁそんなことは置いといて、琴音と出会った時のことだ







(翔吾、琴音 高2春)




『ちくしょ…わかってたけどヘコむ…』




俺は公園の前を歩きながらボソッと呟いた




真由美にキッパリ振られたんだ




『翔吾くんは、弟だから…』




俺は弟じゃねぇ…惨めだ





ふと公園に目をやると一人の女の子がベンチに腰かけていた






正直、思わず見とれた





どこか寂しそうな横顔がなんだか放っておけなくて、でもそれがとてもキレイで…









俺は初めて女の子を守りたいと思った






彼女は暫くすると思い出したかのように幼稚園のある方へと走っていった





そしてそのまま幼稚園へと消えてしまった






俺はその夜、彼女の顔が頭から離れなくてなかなか眠れなかった



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