ありがとうのその前に




彼女は「山崎琴音」というらしい



それを知ったのは、あの日から1ヶ月が経った頃だ




中学の時、バスケの試合でよく会って意気投合した修平の友達らしい



たまたま一緒にいるところを目撃したときに修平が彼女を「琴音」と呼んでたから






最初、付き合ってるのかと思ってたが違うみたいだ





その時、俺の胸がチクリとしたことには触れないでくれ







そして運命のあの日





たまたま琴音とぶつかった



ほんとに偶然だった





チャンスと思ったが俺は素直になれず


『もっと勉強したら?』




彼女を怒らせちまった





失敗…





次の日わざと修平のクラスに行って様子を見にいったがまだご機嫌ななめだった






かなり落ちたけど気をとり直してバイトに向かうとヒロという生徒が近寄ってきた




『遊ぼう♪』




子供大好きな俺はもちろんはしゃぐ。





するとなんとそこに彼女が…









この男の子のお姉さんだったみたいだ






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