ありがとうのその前に



(翔吾、琴音 高二冬)



昨日、琴音の誕生日だった




俺は指輪とカナリくさい言葉を用意してたんだ



誕生日プレゼントに「夢」をあげようと思ってた








なのに俺があげたのは「絶望」だった






最低なことをした









いくら先輩が事故ったからって琴音の誕生日に前に好きだった女の電話で去ってしまった




絶対誤解したよな…








だから今日、琴音に謝って誤解を解くんだ






そのつもりだった










でも…






『翔吾といると疲れるの』






琴音から降ってきた言葉





俺は凍りついた




でも琴音の嘘だと思った…俺のこと考えてのことだと



きっと誤解してるんだ






俺は誤解を解こうとした





『翔吾のこともう好きじゃないんだ?ごめんね』






好きじゃない?





もう俺のこと好きじゃないのか?


もう何も考えられなくなった




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