ありがとうのその前に
修平は綺麗にラッピングされた小さな箱を指さした
『これを渡して、あいつに夢をプレゼントするんだろ?あいつに夢をあげられんのはお前しかいねぇんだよ!』
『受け取ってくれるわけない…』
『あいつはお前と真由美先生が付き合ってると勘違いしてるんだぞ?自分が邪魔だと思ってわざと言ったことだって気付いてやれよ!』
自分が邪魔?…んなわけねぇだろ…
『琴音の誤解は俺が解いた。けどあいつはお前を傷つけたからって本当の気持ちを言えずにいるんだ』
俺は黙って床を見つめていた
『…裕也と別れたのもお前が好きだからだとよ』
『え?』
『あいつは言わなかったけど、お前のことをひそかに想い続けるって決めてたんだよアイツ』
俺と…同じ…?
『でも…俺…嫌われて…』
『琴音が好きになったのは世界中でお前ただ一人だよ。翔吾』
その言葉を聞いて俺は拳を握り涙を流した