ありがとうのその前に


翔吾からの電話だった




『もしもし?』


『あッ琴ちゃぁん?』





ゲッ!翔吾酔ってる…飲み会だったんだ…




後ろはガヤガヤ騒がしい





『なに?』



少しキレ気味に言った


わざと翔吾がわかるように




『ん~どぉしたのぉ?』



『べつにッ』




なんかベロンベロンでムカつく…



隙だらけじゃん!




自分がモテること自覚して欲しい…





『琴ちゃ…「翔~吾~!」





電話ごしの翔吾の後ろで女の声…




『今いきますぅ~!じゃあまたねぇ琴ちゃん♪』



プチッ






今のは電話が切れた音じゃないよ


あたしがキレた音だよ♪









誰?!今の女…しかも呼び捨てにしやがったな…





しかも翔吾も翔吾だ!なぜ電話をわざわざかけてくる?!






くそ―まじ腹立つな!!!







あんなやつ…もう知らない!!





あたしはイライラしながら枕にパンチをした





『寝よ…』









戦いの火ぶたは落とされたのだった
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