ありがとうのその前に



日曜日



あたしは翔吾の大学に来ていた



今日は一人で





翔吾とは30分後に待ち合わせしている



『早めに来過ぎちゃったな…』




あたしはフラフラと校内を歩き回った




たどり着いたのはカフェ




『学校にカフェあるの?!すご…』




あたしが感心していると隣にいた2人の女の子たちの声が聞こえた




いや聞くつもりはなかったんだけどね?




聞こえちゃった





『翔吾くんまじカッコイイよね!』


『新入生では断トツだよね!でもさぁ~純と付き合ってんでしょ?』


『らしい…でも純はカワイイしイイ子だから勝ち目ないよねぇ』


『たしかに…お似合いだからね』






はい?





あたしは手に持っていたコーヒーの空き缶を握りつぶしていた






翔吾の彼女はあたしなんですけど!!




思わず叫びそうになった







デマだよね?


いやデマでも嫌だけど!!





なんか急に不安になってきた…

信じてるけど…そんな噂やだよ…



あたしだけを見てよ…




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