ありがとうのその前に



~翔吾Side~




なんだか元気のない琴音




かなり不安がらせてるみたいだけど…





信じてほしい






俺は勢いよくビールを飲み干した






…気持ちわりぃ…






酒に弱い俺




かっこわりぃ





『翔吾?大丈夫?』




純が俺の背中をさすりながら尋ねてきた





『大丈夫だから』





琴音が見てる



純には悪いけど今は触らないでほしい






俺の彼女は琴音だから





近くにきてほしい




お前に介抱されてぇ…






俺は琴音に向かって手招きをしようとした



『琴………吐きそう…』





吐き気が俺の邪魔をした




『翔吾!トイレ行こう!吐いたら楽になるから』





純は俺らの様子に気付かないようで俺の肩を持ってトイレに連れていこうとした





パシッ






『一人で歩ける』




俺の視界の端っこには泣きそうな顔をした琴音がいた





これ以上不安にさせたくなかった




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