ありがとうのその前に


『なんなの?純さんばっかり!翔吾はあたしの彼氏でしょ?!なのに純さんが盗ろうとしたんだよ?最低じゃない!なんであたしが怒られなきゃいけないの?!』





あたしはの頭はパニックで自分でも何を言ってるのかわからないくらいだった





『お前のほうが最低だろ?人を好きになる気持ちを最低なんて言うお前のほうがよっぽど最低だよ!』




―最低―





なんで?




あたしが悪いの…?






あたしの気持ちは?不安で押し潰されそうになってる気持ちは?





最低なの?







翔吾はあたしなんかより純さんを庇うんだね





わかってくれようともしてくれないんだよね?





『もういい。』


『待てよ!』




あたしは勢いよく翔吾の腕を振り払った





『あたしの気持ち考えたことないくせに…あたしがどんな気持ちだったか…どんなに…』






続きは言えなかった





もう翔吾の前にいたくなかった





醜い自分






悲しい気持ち







二つがあたしの心を締め付けた




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