ありがとうのその前に




『あたし翔吾が好きだった…彼女がいるって知ってからも気持ちは変わらなくて…』






ほんとに昔のあたしに似てる




彼女がいても想い続けようって…





『でも昨日あなたが去った後の翔吾の悲しそうな顔を見たらあたしじゃダメなんだって改めて思い知らされたわ…』




あたし達の間に生暖かい風が吹いていた




初夏の風





あたしの心にも風が吹いていた




後悔の嵐








翔吾を信じてあげられずに自分勝手にヒドイことを言ってしまった




純さんに対してもだ







『アレも…バイトで使うと思ってたんだけどなぁ…まさかそこまでだったなんて…』



『?』




なんのことだろう…?




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