ありがとうのその前に

―昼休み―




『最近琴音さぁ翔吾くんと仲いいよね♪怪しいぞぉ♪』



翔吾…名前を聞くだけでにやける


『いつからそんな仲良くなったわけ?』


『なに…修平顔怖いんですけど』


『別に…怖くねぇよ』



明らかに怖い…お腹すいてんのかな?


『ウインナーあげるから機嫌直しなよ』


食べ物で釣る作戦


『たまごやきがいい』


成功♪


『で?なんで?♪』


結衣は超笑顔だし!


『たまたま会って話たら意気投合みたいな!』


幼稚園でのバイトのこと、翔吾に内緒にしてって頼まれたのもあるけど、あたしが2人だけの秘密にしたかった



『ふ~ん?またなんかあったら聞かせてね♪』


『結衣こそ彼氏とどうなのよ?』


『順調♪』


幸せそう…彼氏かぁ…いいなぁ♪


『修平は?好きな子とかいないの?』


『なッ…いねぇよ!』


なに照れてんだ?シャイだな…笑


『おッお前こそ好きな奴いねぇの?』


好きな人…


翔吾が頭に浮かんだ



でも好きなんていう資格ない



『いないよ!いい人いないかねぇ~』



あたしはまた我慢してしまう



自分の気持ちさえも押し殺して…


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