ありがとうのその前に




翔吾の部屋はシンプルという言葉が1番似合うと思った





生活感のあまりない部屋






ベッドとテレビ、小さな食器棚に小さなテーブル




それだけ






家族写真とか家族の感じられる物は一つもなかった







あたしがキョロキョロしていると翔吾は台所でなにやらゴソゴソしていた





『なに…してるの?』


『飯。作ってやるよ!いつもご馳走になってばっかりだし』






翔吾の料理?!





うわぁ~手早い…上手い…






一人暮らしだから家事やってたんだろうなぁ…





最近はよく家で食べてたから気付かなかったけど






あたしと出会う前や別れていた1年はずっと作ってたんだろうな…





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