ありがとうのその前に


そのあとあたしたちはヒロがいることに気付いて2人で照れ笑いした


『琴ちゃんとお兄ちゃんがチューした♪』


ヒロはなぜかご機嫌


大物だ…!


『じゃ…また明日な!』


『うん…明日ね』


『お兄ちゃんばいばぁい♪』


『ばいばい♪』




あたし…翔吾と両思いなんだよね?信じられない…


えへへ♪こんな幸せでいいのかな?



『ただいまッ♪』


『あら、おかえり』


『お…お母さん?!』


『久しぶりね。着替え取りにきたのよ』


『どれくらいいるの?』


『すぐ出るわ。またしばらく病院に泊まりこみだから、これお金。』



お金より…大事なものあるでしょ…


『来週の日曜日ねヒロの発表会があるんだけど…』


『行けるわけないでしょ…忙しいのよ』


『そう…』


『じゃあ、行くわ。』



バタン


ヒロと会話もしようとしない
お金だけ置いてしばらく帰ってこなくて家にいる時間なんか数分



あんなの母親じゃない

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