ありがとうのその前に


夕飯は2人とも『美味しい美味しい!』って食べてくれた



何度見ても嬉しいもんだな♪明日からまた頑張ろ!



もう外は真っ暗だった


というより天気が急に悪くなって雨が降りそう



『ヒロ寝ちゃったな』


『今日楽しくてはしゃぎ疲れたのかなぁ』


ヒロは幸せそうに寝息をたてている


『部屋まで運ぶよ』


翔吾がヒョイッとヒロを持ち上げた



最近あたしには抱っこするのがやっとなくらいなヒロを軽々と持ち上げた翔吾に不意打ちにときめいてしまった



やっぱり男の子なんだなぁ



抱き上げたまま部屋から出ていく翔吾の背中を見つめながら思い出していた




あの腕に抱きしめられたんだよね…昨日



考えると顔が熱くなる



あたたかい胸

細いのに力強い腕

低い声

あたしと同じ速い心臓の音




すき



だいすき





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