ありがとうのその前に


そのまま2人が見えなくなるまで立ち尽くしていた


結衣はどうしたらいいのかわからずあたふたしている


『あの人…』



修平がふと呟いた


『修平知ってんの?!』


結衣が修平の腕をつかむ



『たしか…中学のとき、試合に行くと、そののたびに翔吾と話してるのを見た。たぶんその時の人だ』


中学のとき?そのときからバイトを?


いや違う…たしかあの幼稚園でバイトし始めたのは高2の初めからって聞いたことある



じゃあ、そのまえから2人は知り合いだったってこと?



でもなんで?



呼び捨てにするほどの仲ってこと?


頭がぐるぐるする…わけがわからない



さっき見た翔吾はあたしの知ってる翔吾じゃなかった


知らない人みたいだった


いつもと違う大人っぽい服装


22歳の真由美先生と並んでいてもお似合いな感じ



すごく遠い存在に思えた


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