ありがとうのその前に

でもまだ疑問は残っている。


あたしは決意して聞いてみた。


『翔吾と真由美先生…昔から知り合いなんでしょ?』



部屋に沈黙の時間が流れる。あたしの掌には汗が滲んでいた。



『あぁ。俺が中学ん時からね』



翔吾は思い出すように微笑んだ


その顔がなんだか悲しそうだったことを覚えてる







好きだったの?






あたしがこの一言を言おうとしたが喉につっかえて出てこない。



すると翔吾がそれを見透かしたように続けた




『部活の先輩の彼女なんだよ真由美は。たしか真由美が高校の時からだから5年くらいかな』



だから別に特別な感情はナイ




そうあたしに言ってるみたいに聞こえた




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