ありがとうのその前に



『翔吾?』


『いや~…何で来たの?』


『翔吾の浴衣見たいなと思って』


『その格好で?』



その格好?




…急いでて猫ミミ取り忘れた!しかもあたしメイド姿見られたくなかったんだった!




『…めっちゃかわいい…』


『へ?』



自分の失敗に焦ったあまり翔吾の小さな声が聞き取れなかった



『だから!かわいいって言ったの…』



大きな手で顔を恥ずかしそうに隠して言った




つられてあたしの顔も熱くなる



『翔吾こそ…かっこよすぎだよ…』


『ありがと…』




あたしたちの周りにピンクのオーラが漂う



『あのさ…もういい?』


『え?!』




結衣の一声で我に返ったあたし達




恥ずかしッ




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