ありがとうのその前に
そのままブラブラ散歩して辿りついたところは公園だった
『ここ…』
『そ♪俺たちが出会った公園♪』
あたしと翔吾がぶつかったのはこの公園の前。だからこの公園は思い出の場所みたいな感じになっていた
『初めはさぁ翔吾のことムカつく奴だと思ってた』
あたしと翔吾は公園のベンチに座った。派手なイルミネーションなんか一つもない、いつもと同じ公園
『なんで?』
『だってあたしのテスト見て馬鹿にしたじゃん!』
『14点とるほうが悪い!』
『ひどいッ』
いつものようにたわいもない話をしている時だった
『でも俺は琴音のこと知ってたんだ』
『え?』
『いつもヒロを迎えにくる琴音を見てて…あの日偶然ぶつかって、わざとイジメて印象に残るようにした』
うそ…あたしのこと知ってたなんて全然気付かなかった