Lost voice Ⅱ‐キミ ノ オト‐
「ほぅほぅ、お熱いですなぁ。いいもの見させていただきました」
「ゆっ、優輝っ」
からかう優輝に、頬が熱くなる。
そんな私を見て、優輝は楽しそうにコロコロと笑った。
「まあまあ、おひとつどうぞ柚さん。」
そう言いつつポケットから出したのは、キャラメルが3つ。
いつも優輝はポケットに甘いものを忍ばせていて、よくそれを分けてくれる。
優輝の四次元ポケットだ。
「ありがとう」
なんの迷いもなく、一つを口に放る。
「……!!?」
その瞬間、吐き出そうかと思った。
「な、なにこれっ!?まずっ!?」
「あははははっいい反応!!これねー、ブランデー味?あとジンギスカン味と、ラーメン味もあるけど」
ブランデー!?
なにそのあり得ない組み合わせ!?
「ちょっ…!どこでこんな…」
「友達がさぁ、北海道に旅行行ったらしくて、そのお土産?あたしも最初吹いたわージンギスカンてなんやねんって」
「え、そこなの!?やー、でもこれはないよー」
なんとか無理やり丸飲みして、お茶を流し込む。
散々な目にあった。
「でもこういうゲテモノって、面白いよね」
「あははっ、確かに。優輔さんにあげれば良かったなぁ」
「確かに!いい反応しそうっ」
二人で、クスクスと笑っていたときだった。