【短編】不良なのに正義のヒーロー
──…
「…あっおきた」
目を開くと、俊の顔…
「春菜ちゃん、倒れたんだよ?貧血で」
「そうだったんだ…もしかして、
あたしのこと運んで…」
「うん。教室から春菜ちゃん見えてさー
びっくりしたよ」
「…ありがとう。ヒーローみたいだよね、
俊も、星也くんも」
「ヒーロー?」
「うん。最初のときも、男の人から
守ってくれたし。本当ありがとう。いつも」
いつも一緒にいてくれて。
そんな言葉も心の中で添える。
…──ぎゅっ