先輩に恋してもいいですか?
「てめぇ、しょうもねーことで悩んでんだな」

こいつ、人の悩みを.....

「結局、優姫は変わった
全く熱を帯びてない目に髪の毛まで.....
まっすぐにして言葉遣いも変わった
優姫の何もかもが変わった
あの頃の優姫はもういないよ?
潰したのは先輩だよ
その手で優姫の幸せを潰した」

「っ......」

「そんなに深く考える必要なんて
何にもないのに優姫は先輩が隣で
笑って怒って照れて愛してくれたら
それでよかったんだよ
幸せだったんだよ」

あ、俺は間違ってたんだ

俺は結局幸せにしきれないのか

「優姫のあんな幸せそうな笑顔は
初めて見た、もう出会って4年
一度もあんなに優しくて幸せそうに
愛しそうに笑わなかった
今はもう作り笑顔だよ......」

「凉姫、お前は四六時中横にいるのが
"守る"ってことだと思ってないか?
好きなら何があっても受け止めて
分かち合って歩いていく
それも1つの守り方だと思うぞ」

「そうか....」

「お前らは常に相手のことを考えすぎだ
もう少し自分に素直に.......
わがままになってもいいんじゃないか」

俺は結局逃げてただけだ

このままじゃ絶対幸せにはなれない

後悔しないように走らないと


「速くいけよ」

「ごめん、優姫のところにいくのは
少し遅くなるかもしれない
俺はちゃんとケリをつけてからいく
絶対優姫つれて戻ってくるからな」

「あぁ、期待して待ってる」

「私も」

「いってくる」

そう言って俺は屋上のドアを開ける

俺は走らなければならない

自分を信じて

優姫を信じて




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