先輩に恋してもいいですか?
みんな、みんながね

少しでも私といて

私たちといて

幸せだと思うなら


聞いてほしいの


答えはもうわかってる

「落ち着いて聞いてね」

「うん....」

話さないと........

「私、長くないの」

「え?」

泣いちゃダメだ

心配させちゃう

「わ.....たし....」

「結衣、落ち着いて
俺が話してあげるから」

湊は抱き締めてくれる

優しい.....離れたくない

「結衣は病気だ......心臓の」

「..........え.....」

優姫、すごく驚いてるよね

「わかったには高校に入る前か
それぐらい」

「そんな....前から」

「命にかかわる病気なんだ
結衣はせっかく受かった高校だからって
少しでも行きたいってそう言って
通ってた」

ぅ.....どんどん涙が出る

どうして運命はこんなに残酷なんだろう

やっと幸せをつかめると思ったのに

それはもう程遠い

「治すためにはアメリカにいかないといけない....いつ帰ってくるかはもちろん
治るかどうかも確実ではないんだ」

っ......ごめん湊

こんな話して辛いに決まってるのに

「でも治るのに少しでも近いなら
アメリカに行きたい....そう思うだろ
たぶん夏休みごろが限界だ」

「...........結衣ちゃん
こっち向いて」

目の前には優姫がい......

パンッ

左頬に痛みが....

「な.....結衣になにして」

「湊は黙ってて」

「優姫、それは」

「すずも黙ってて」

ふぅ....とため息をつく優姫

「なんで黙ってたの?
私が離れていくとでも思った?
結衣ちゃんにとって私はその程度?
知ってたらもっと結衣ちゃんと一緒にいて.....ノロケとかほっといたのに」

「言わなかったことは悪かったと思う
でも....言ったら優姫は先輩に向き合えない....私が行った後にすがる人がいない
人に支えてもらうってとても大切なことでしょ?だったら私は優姫に幸せになってほしい」

「結衣ちゃんが言ってくれてたら
私はもっと時間を大切にしたのに
もっと結衣ちゃんを愛したのに」

「時間はまだあるの
これからを大事にして」

「結衣ちゃん.....叩いてごめんね」

「うん」

そう言って優姫は部屋を出ていった

私の方こそごめん

優姫、謝ったとき私より

苦しそうな顔してた

「凉姫、俺もいこうと思ってるから
もし結衣が死ぬことになったとき
そばにいなかった方が
俺は後悔すると思う
お前たちにとってはすごく
辛いことだと思う
だけど乗り越えてくれないか」

「....あぁ、大丈夫だ
今さっき壁を乗り越えたところだ
んな壁、ぶち壊してやるよ」

「っ.........行け、凉姫
じゃないと俺、ヤバイから」

「うん、実は俺もちょっとやばい」

先輩も出ていった

湊は泣いてた

『見んな』そう言って

私を抱き締めて

泣いてた


私がみんなを泣かして

みんなを引き裂いた

私がみんなの幸せを奪ったんだ

「ごめんなさい、ごめんなさい
ごめんなさい.......」

「もういいから、謝んな」




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