時を越え、君を知る。
夢を見ているのかと思った。
なぜなら、目の前に長門さんがいるから。
19XX年で出会った、好きな人。
わたしの居場所だった人。
ふわりと風が吹いた。
思わず目を瞑り、風が通りすぎるのを待った。
そして目を開けたわたしの瞳に映ったのは、見慣れた空間で微笑む、長門さんの姿。
(夢で、見た。)
あちらにいたとき、何回も見た夢そのものだった。
「会いたかった…。」
「わたしも、会いたかったです…!」
「あのとき云えなかったが、今なら云える。…好きだ、陽菜、」
「っ、わたしも好きです!」
みんな誰もが持っている。
生きる権利、幸せになる権利。
願えば、叶えられる。
そしてそれを阻む資格など、誰にもないのである。
今を生きる、あなたへ。
生きているといること。
それはとても、幸せなこと。
人生100年と言われるこの時代、あなたは何をして生きていく?
<終>