時を越え、君を知る。


数分後、何やら布を手にした長門さんが戻ってきた。


「服が濡れたままでは風邪をひく。男物で悪いが着替えを持ってきたから着替えるといい。」


渡されたのはタオルとセーラー服。
サイズは少し大きいくらいで、着るのに支障はなさそうだ。
わざわざ、小さめのサイズを探してきてくれたのだろうか。


「小柄な乗組員から借りてきた。洗濯はしてあるが、多少の汚れは我慢してくれ。では、俺は部屋の外にいるから、着替えたら教えてくれ。」
「すみません、ありがとうございます。」




長門さんが出ていったところで、ふと考える。
どうして、ここに来てしまったのか。
何か理由があるのか、それともただの偶然か。
いくら考えても答えが出ることではないと分かっていても、考えずにはいられない。


帰りたい。
そう思うのは普通のこと。


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