時を越え、君を知る。
ぺこりと頭を下げると、拍手が起こった。
それと同時に、どこからともなく「よろしく!」と声がかかる。
歓迎されているようで、嬉しくなった。
乗組員さん達の健康的に焼けた肌は、まさに海の男という感じだ。
「時間を取らせたな。各自作業に戻ってくれ。」
「…ふう、緊張した…。」
「大丈夫か?」
「はい。みなさん、いい人そうで安心しました。」
いい人。そして、彼らも軍人さん。
日本を背負って戦っているんだ。
見ている限りでは、若い人が多い。
わたしとそんなに変わらない年齢の人達が、戦争と向き合っている。
ここでは、それが現実。
今までわたしは、いかに平和な時代で過ごしてきたんだろう。
何も考えずにただ、生きていた。