時を越え、君を知る。
「あ、長門さん。」
まあ、長門さんは堅苦しいのだけど。
軍人さんのイメージそのものという感じだ。
「今から、一度本土に戻ることになった。」
本土ということは日本に帰るということ。
初めての上陸である。
19XX年の日本。
テレビや教科書でしか見たことがない世界。
どうなっているんだろう。
「戻ったら、少しだが休暇が与えられる予定だ。…案内するから、この時代を見てみないか。」
「いいんですか?」
「ああ。知ってほしい、この時代のことを。」
断る理由なんてない。
大きく、首を縦に振った。
「快い返答、礼を云う。では、準備があるから俺はこれで。本土に着いたら呼びに来る。」