時を越え、君を知る。
しばらく歩くと民家が建っている道に出た。
ここは、長門さんと通った道だ。
勝手に逃げたりして、呆れられてしまっただろうか。
「須藤!」
「な、長門さん、」
前方から長門さんが走ってくる。
申し訳ない気持ちに襲われて、また逃げたくなってしまう。
「…探しただろう。」
「すみません…。」
「三笠が一緒だったのだな。」
「久しぶりだねぇ、長門。」
「ああ。…須藤、霧島がお前と話したいと云っている。」
長門さんが顔を向けた物陰に、霧島さんが立っていた。
さっき、霧島さんに言われた言葉を思い出し、行くのを躊躇ってしまう。
わたしが固まっていると、長門さんに背中を押された。
「…霧島も、悪気があって云ったわけじゃない。話をしてやってくれないか。」
「ほらね、長門も同じこと云ってるでしょ。」
「……分かりました。」
わたしはゆっくりと霧島さんに近付いた。