時を越え、君を知る。
「…さっきは本当に悪かったと思ってる。この前、同胞が戦没して、気が立っていたんだ。俺達に生まれた意味があるのかって問い続けて。答えなんか返ってくるはずないのに、今、答えを見つけたよ。……感謝する。」
深々と頭を下げた霧島さんに、わたしは慌てた。
頭を下げられるほどのことはしていないのに。
「頭上げてください…! わたしこそ、すみません。みなさん、命懸けで戦っているのに、何も知らないわたしがフネに乗っていたら迷惑なのに…。」
「…さっきのはただの当て付けだから気にしなくていいよ。それに長門さんは、迷惑だとかこれっぽっちも思ってないから。」
霧島さんは控え目に笑った。
「俺の話は終わり。長門さんのところに戻りなよ。」