時を越え、君を知る。
* * * * *
「……、」
不意に目が覚めた。
何やら気配を感じ、その方向に視線を向けると陸奥が顔をにやにやさせながら立っていた。
「…なんだ。」
「まだ起きてるかなと思って来てみたんだけど、邪魔だったかな。」
「いや。」
起き上がろうとして、右半分に小さな重みを感じて目を向けた。
俺に寄り掛かるようにして、須藤が眠っていたのだ。
酒に付き合ってもらって、話をした。
途中から意識が曖昧になった。
あのときは、酒のせいだろうが、妙に気分が高揚していた。
須藤に色々と云ったのを思い出す。
(迷惑、だっただろうか。)
あのようなことを言ってしまって。
しかし、本心だった。
俺に頼ってほしい。
俺の前ではそのままの須藤でいてほしい。