時を越え、君を知る。


怖い、そう思った。


「っ、わたしは、ごく普通の学生で……、」
「学生? そのナリでか?」
「わ、わたし何かおかしいですか?」


紺色のブレザーに紺色のスカート。
おかしいところはないはずだ。
せいぜい、制服がダサいということくらい。


「…ふむ。お前は海に浮いていた。何かあったのか?」


ここで目を覚ます前を思い出す。
確かにわたしは海にいた。
でも、なぜかと言われたら、答えることができない。
わたしにも分からないからだ。


「…何も、分かりません。」

< 6 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop