時を越え、君を知る。
「…須藤?」
「……!」
考え込んでいたようで、長門さんの声でずるりと現実に引き戻された。
何度、考えただろう。
「…大丈夫か。」
「…………どうして、」
「?」
「…生まれる時代が違うだけで、こんなに生きる環境が違うんでしょう…。」
ずっと、思っていた。
「みんな、生きる権利があるはずなのに。幸せになる権利があるはずなのに…っ。」
「…須藤、」
言葉にしたら止まらなくて。
涙も溢れてきて。
もう、どうしようもなかった。
せっかく乗組員さん達が磨いた甲板に涙が落ちた。