時を越え、君を知る。
生きることは、みんなに平等に与えられたもの。
人にも、戦艦(かれら)にも。
「霧島さんは、生きていてはいけなかったのでしょうか、」
「…俺達は戦艦だ。その心を具現化した存在だから、フネと運命を共にする。それは、理によって決まっている。俺達がどうこうしていいことではない。」
「そんなの…っ、そんなのあんまりじゃないですか!」
「須藤、落ち着け。」
本人の意思は、どこにあるの。
生きていたいと思ってはいけないの。
霧島さんは、何を思って、この冷たい海に沈んでいったのだろう。
運命全てを受け入れていたのだろうか。
「わたしは、わたしは…っ、」
霧島さんに死んでほしくなかった。
また、会いたかった。
せっかく知り合えたのに。
いくら願っても、想っても、霧島さんは戻らない。