時を越え、君を知る。


早くに目が覚めた。
太陽はまだ出ておらず、辺りは暗い。
甲板に出てみると、ひんやりとした空気が頬を掠めた。


「…っさむ、」


ここに来たときはまだ暖かい時期だったから、時の流れを感じさせられた。

季節が巡ってゆく。


ここで過ごした日々を思い返すと、とても濃い毎日だった。
中身のある、毎日。
初めて経験することばかりで。

知り合いや友達も増えた。
長門さん、陸奥ちゃん、霧島さん、三笠さん、長門の乗組員さん。

そして、霧島さんの沈没。

現代では分からない感情をたくさん知った。


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