時を越え、君を知る。
2.19XX年
「…信じてもらえないことは承知ですが、」
ぎゅっと拳に力を込める。
「わたしは、…2013年から来ました。」
「………何?」
長門さんの声が低くなった。
何を馬鹿なことを言っているのかと思われたに違いない。
わたしだって、未来から来たと言う人がいたら、きっと信じられない。
嘘をついていると思ってしまうかもしれない。
それほどに、あり得ないことだ。
「……その時代は、…平和か?」
「えっ?」
「お前がいたという時代は平和なのかと訊いている。」
「に、日本は平和になったと思います。でも、世界では争いが絶えないところも、あります。」
「そうか。」
それっきり、長門さんは目を細め、わたしを見たまま言葉を発しなくなった。