restart * another sky *からのサイドストーリー
「な、何??どうしたの??」
驚いて固まる私を、ダイキ君は力強く、抱き寄せる。
「…もう、いいっすよ。
麻友理さんがおっさんと寝なくても、店はやっていけるじゃないですか。
それとも、ただ―――。」
―――――。
「自分を、傷つけたい…、だけですか――??」
「……っ。」
グサリと来た。
真っ直ぐに放たれた言葉が、胸を抉っていく。
「…手首、赤くなってますよ。」
――――――!!
「変態のオヤジに、何やられてるんすか。」
「でも、あいつ、上手いよ?」
「…っ、上手けりゃいいのかよ。
愛なんて、ないじゃん。」
――― 愛…。
だめだ…。
愛なんて、言わないでよ。
泣きそうになるのを必死で耐える。
これ以上、優しくなんて、しないで。
今日は、綾子に会って、癒されたの。
短い時間だったけれど、素の自分に戻れたの。
押しつぶされそうな空気の中、私は自分を見失いそうになる。